「心アミロイドーシス」の診断と治療は大きく進歩している
■早期発見、早期治療ができるようになった
それが、2016年以降、「シンチグラフィー」という検査を活用することで、少ない負担で早期診断が可能になりました。検査薬として放射線医薬品を使用し、ガンマカメラで心臓の画像を撮影することで、アミロイドの蓄積の状態を評価できて、発病診断だけでなく進行程度についても把握できるようになったのです。
治療薬も大きく進歩しています。これまでは、ほかの疾患が原因になっているケースを除くと、対症療法が中心でした。終末の病態に至るまでの段階に応じた治療を行ってどのように症状を改善するかが大事で、たとえば心不全の症状があれば、利尿剤、β遮断薬、ACE阻害薬、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)などの薬物治療を行うのが一般的です。
また、心機能が落ちてくるとだいたい60%ぐらいは心房細動が現れます。すると、心房内で血栓ができやすくなって心原性脳梗塞のリスクがアップするため、血液をサラサラにするDOAC(ドアック)などの抗凝固薬が使われます。このように、さまざまな薬物治療を根気よく続けて、症状を改善するしか手だてがありませんでした。


















