「心アミロイドーシス」の診断と治療は大きく進歩している
外科的な治療が主体になるケースもほとんどなく、たとえばもともと軽い心臓弁膜症があったり、心アミロイドーシスに加えて冠動脈の動脈硬化や、大動脈弁の石灰化が進んだ場合などは介入するケースもありますが、これも根本治療ではありません。私も、心アミロイドーシスが疑われる患者さんで、拡張型心筋症による僧帽弁の逆流がひどかったケースの手術を行った経験がありますが、結果的に心アミロイドーシスだったかどうかまではわかりません。やはり心アミロイドーシスの治療は、内科的な薬物治療による対症療法が主体といえます。
それが近年、心アミロイドーシスそのものの進行を抑える治療薬が続々と登場しています。心不全に対する対症療法だけでなく、アミロイドの蓄積を抑制して進行を防げるようになったのです。次回、あらためて詳しくお話しします。
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