がん治療に新たな可能性…「リチャレンジ治療」って何だ? 米国臨床腫瘍学会でも話題に
「温熱療法と組み合わせた再投与で効果が出るケースは珍しくありません。がんの種類によっては、過去に使った薬が再び効くこともあります」
ASCOでの報告は手術不能な大腸がんが対象だったが、土岐院長によるとほかのがん種でも同様な効果が得られることがあるという。
たとえば、乳がんや肺がんなどでも、遺伝子検査を通じて再投与の可能性を探る動きが始まっている。特に、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など、がん細胞の特定の性質を狙った薬剤では、再投与による効果が期待されるケースもある。
■抗がん剤の深刻な供給不足
ただし、リチャレンジ治療にはまだ多くの課題が残されている。がん細胞の遺伝子変異や体内環境の変化を正確に把握する必要があり、再投与のタイミングや薬剤の選定には慎重な判断が求められる。今回のASCOの報告では、血液中のDNAを再検査し、遺伝子異常の有無を確認した上で薬剤を再投与している。こうしたアプローチが今後の標準治療に組み込まれる可能性もあるのではないか、と土岐院長は言う。


















