新薬、再生医療、AI…糖尿病の治療は「臓器を守り治癒を目指す」へ

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 1型糖尿病では、「失われたインスリンを補う」から、「インスリンをつくる細胞を取り戻す」治療への挑戦も始まっている。

 1型糖尿病は、自分の免疫が膵臓のβ細胞を攻撃し、インスリンをほとんどつくれなくなる病気である。現在もインスリン注射が治療の基本だが、近年は膵島移植に加え、iPS細胞や幹細胞から作製したβ細胞を移植する再生医療の開発が急速に進んでいる。海外の臨床試験では、移植後にインスリン注射が不要となった患者も報告され、根本治療に近づく技術として期待が高まっている。

 医療機器の進歩も著しい。代表的なのがインスリンポンプである。体に装着した小型機器から24時間少量ずつインスリンを持続注入し、持続血糖測定器(CGM)と連携して血糖値に応じ自動でインスリン量を調整する「人工膵臓」システムも実用化されている。

 夜間低血糖を減らし、血糖コントロールの改善や生活の質(QOL)の向上につながっている。

 デジタル技術の活用も進む。スマートフォンで血糖値や食事運動量を管理し、医療機関とデータを共有することで、よりきめ細かな診療が可能になってきた。将来的にはAIが血糖変動を予測し、ひとりひとりに最適な治療法や生活改善策を提案する時代も現実味を帯びている。

 もちろん、どれほど医療が進歩しても、食事や運動など生活習慣の改善が糖尿病治療の基本であることに変わりはない。しかし、それを支える薬剤や医療機器、再生医療はかつてないスピードで進歩している。

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