石破政権が減反からの転換表明も現場は課題山積…コメ増産が難しいこれだけの理由

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政府の具体策は「絵に描いた餅」

 政府がコメ増産の具体策として打ち出すのは、農地の集積などによる経営の大規模化、先端技術を活用するスマート農業の推進、耕作放棄地の活用などだ。しかし、いずれも実現性に疑問が残る。コメ流通評論家の常本泰志氏はこう話す。

「すでにある程度の集約化が進められているうえ、規模を拡大するには設備投資などで莫大なお金がかかります。多くの事業者はいま抱えている水田で手いっぱいで、資金や人手に余力がない場合がほとんどです。また、水田を集約するにあたっては、土地の権利などの話をまとめなければならない手間もある。耕作放棄地もすぐに活用できるわけではなく、養分など土壌コンディションを整えるだけで3~5年はかかる。いずれも、来年、再来年ですぐどうこうできるものではないのです」

 コメ農家の平均年齢は70歳前後と、高齢化も進んでいる。

「体力に余裕のある生産者ばかりではなく、そもそも増産に対応できるマンパワーが生産現場に残されていません。水田は3年も放置すれば樹木なども生えますが、こうした耕作放棄地を再び使えるようにする余力もないでしょう。年齢的に、スマート農業などの技術を受け入れる余裕のない生産者も少なくない。こうした実態を直視せず増産を掲げても、絵に描いた餅にしかならない。まずは従事者を増やすなど、生産者の平均年齢を下げる政策から始めるべきです」(常本泰志氏)

 言うは易し行うは難し、ということだ。

  ◇  ◇  ◇

 政府備蓄米が売れ残っている。小泉農相はどう対応するのか。●関連記事【もっと読む】『減反からコメ増産へ転換も、猛暑続きで不作懸念…進次郎農相に欠ける気候変動対策の“セクシー”さ』で詳報している。

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