著者のコラム一覧
白石 あづさライター&フォトグラファー

会社を辞め3年にわたる世界旅行へ。訪ねた国は100カ国以上。著書に「逃げ続けたら世界一周していました」(岩波書店)、「中央アジア紀行 ぐるり5か国60日」(辰巳出版)、「尾畠春夫のことば」「佐々井秀嶺、インドに笑う」(ともに文芸春秋)ほか。

(4)世界の見方を変える旅

公開日: 更新日:

 さて、そうしてコツコツとお金を増やし、20代でついに憧れのインドに飛び立つことになりました。ところが、1カ月かけて旅した大観光地で出会ったのは、嘘つき詐欺野郎ばかり。ゴミまみれでおじさんが道端でウンコしているし、狂犬が土手を走っているわで、せっかくお金を貯めて訪れたのに、実にとんでもない国で私の「ディストピアリスト」の上位に加わりました。

 ところが数年前、その大嫌いな暗黒世界・インドにお坊さんの取材で再び行かねばならなくなりました。アウトカーストの人々がヒンズー教を捨てこぞって仏教に改宗しているのですが、1億5000万人に爆増したインド仏教徒のトップが日本出身の佐々井秀嶺さんなのです。

 暗殺されそうになっても人々を救い続ける佐々井さん。その怒涛の半生は省きますが、彼の暮らすナグプールという仏教都市を訪れると、道にゴミひとつありません。会う人みな手を合わせてくれるし、歩いていれば誰かがオートバイの後ろに乗せてくれます。インド人と一口に言っても時代や地域によってまるで違う。日本人だってさまざまなのだから、よく考えたら当たり前なのです。

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