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姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

中国資本の買収進む日本語学校が「無法地帯」になる恐れ…留学生ビジネス過熱の裏の死角

公開日: 更新日:

 今ではその数は4桁に膨らんだ国内の日本語学校だが、経済環境は紆余曲折があった。90年代には、日本語学校の認可基準が引き上げられ、「校舎は自社物件」であることを原則とするようになった。これは日本資本の新規参入の壁を高くしたが、不動産投資を得意とする中国資本にとっては商機となった。

■「ホワイトボードと机、椅子さえあればできる商売」

 東日本大震災や反日デモが起こった2010年代初頭、日本語学校は中国や韓国からの留学生が激減するという憂き目にさらされた。14年前後にはベトナム人留学生が次の主流になってきたが、「こうした時流に乗り遅れた学校が次々に売却の対象になり、当時、日本語学校は数千万~1億円程度で売り買いされた」(教育関係者)。

 10年代後半の外国人留学生はアジア各地から来日するようになった。送り出し国の多極化が進んだわけだが、ここでもノウハウを持たない日本語学校が脱落した。そして20年のコロナ禍に突入し、さらに売却案件が増えた。近年、中国系による日本語学校が増えたのはこうした事情からだ。

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