「鰻の成瀬」怒濤の急成長に既視感…「いきなり!ステーキ」「乃が美」の二の舞は大丈夫か?

公開日: 更新日:

「都心の店によく行きますが、カウンター10席ほどの店を若い店員さんだけで回しています」(前出のフードライター)

 だが、この急成長ぶり、どこか既視感があるのではないだろうか。かつて怒涛の勢いで出店を重ね、今や最盛期の半分程度まで店舗数が縮小しているステーキチェーン「いきなり!ステーキ」や、高級食パンの「乃が美」を彷彿とさせるのだ。

「こうしたチェーンは晴れの日使いする高級店とはバッティングしづらいですが、今や鰻は牛丼チェーンやファミレスでも手軽に楽しめますし、スーパーでも国産の鰻が比較的安価で出回っています。しかも、食べる頻度がどちらかというとステーキよりも少ない上に、1食1600円だとしてもたびたびランチ使いするわけにはいかない金額でしょう」(消費経済アナリスト・渡辺広明氏)

 ほかにない省人化されたオペレーションや、特別な仕入れルートの有無が決め手というが……。

「仕入れる鰻の味や品質の差別化が中長期的な成長のポイントとなるでしょう。鰻のファストフード化で日本人が食べる頻度が上がれば、業界の景色がこれまでとは変わってくるのではないでしょうか」(渡辺広明氏)

 急拡大で、ほかのチェーンと同じ轍を踏まずに済むか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  2. 2

    進次郎大臣は連日の視察とTV出演で大ハシャギ…ムチャぶりされる農水省は“ブラック企業化”のお気の毒

  3. 3

    ドン・キホーテが進次郎農相に異例の「直訴」…コメ流通は消費者ファーストではないのか? 識者が解説

  4. 4

    三井化学が石油化学事業を分社化…その先で描くのは過剰な同業他社との再編だ

  5. 5

    進次郎農相「コメ卸業者が営業利益500%増」発言で飛び交う「価格カルテル」疑惑と「コメの先物取引」で懸念されていたこと

  1. 6

    「ルンバ」のアイロボット社に事業継続困難疑惑…代表執行役員社長が舞台裏を説明

  2. 7

    中野サンプラザ、TOC、北とぴあ…都内で建て替え計画が相次ぎ頓挫する理由

  3. 8

    自公政権の無策で失われていく庶民の味…「カレー」「ラーメン」「焼き肉」「洋菓子」「ステーキ」すべて倒産件数最多

  4. 9

    大阪万博は値下げ連発で赤字まっしぐら…今度は「駐車場料金」を割引、“後手後手対応”の根本原因とは

  5. 10

    「聘珍樓」の3度目の倒産は“氷山の一角”か…格安店の乱立で高級中華が苦境に

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  2. 2

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

  3. 3

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  4. 4

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  5. 5

    (1)長嶋茂雄氏の「逆転巨人入り」は、銚子の料亭旅館の仲居さんの一言から始まった

  1. 6

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    今秋ドラフトで割食う巨人…“恋人”の創価大・立石正広が「ミスターの後継者」候補と評価急上昇

  4. 9

    長嶋茂雄さんの「まさかの一言」で高級ブランドショップ店員は素っ頓狂な声をあげ目を白黒させた

  5. 10

    北川景子が味わった二度の挫折 仕事の間にロケバス内の猛勉強で明治大商学部に合格した努力家