著者のコラム一覧
森岡英樹経済ジャーナリスト

1957年生まれ。早稲田大学卒業後、 経済記者となる。1997年、米コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年にジャーナリストとして独立。

「聘珍樓」の3度目の倒産は“氷山の一角”か…格安店の乱立で高級中華が苦境に

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コロナ禍が追い打ちに

 聘珍樓は、最盛期の01年3月期には118億円以上の売上高を計上していたが、その後の景気悪化で団体利用や接待利用などの法人需要が低迷、経営の立て直しのため香港のファンドの出資を受けて16年4月に株式会社聘珍樓(新法人)を設立、旧法人から事業を継承した(旧法人は16年6月に平川物産に商号変更の後、17年3月に特別清算開始命令を受けている)。新法人は店舗運営のほかブランドを生かして百貨店やネットショップでの食品販売を手掛けており、18年4月には横濱本店を同名の法人に新設分割し運営を移管していた。

 いずれも経営再建に向けてスタートを切った矢先、新型コロナウイルスの影響を受けて客数が減少、これが追い打ちとなって経営が一層悪化する。22年5月には横濱本店が「移転のため」として閉店の後、同年6月に横濱本店側の運営法人が横浜地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。残った新法人も5期連続の最終赤字を計上したことから、今回、事業を停止し清算手続きに入ることになった。

 食べ放題などを売りにした格安の中華料理店が乱立し、廃業する店舗もみられる中、高級路線の中華料理店も苦境に立たされている。聘珍樓の経営破綻は氷山の一角か。

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