不動産業界で女性進出が「進む米国」と「進まない日本」の皮肉な現実

公開日: 更新日:

「それは一面的な見方です。当事者からすれば、不動産営業は収入の波が激しすぎる。儲かる月もあれば、収入ゼロの月が続くこともある。その不安定さを補うのが、夫の安定収入なんです。だからこそ、女性がこの仕事を選びやすい面もあるんですよ」

 つまり、米国で女性比率が高い背景には、完全歩合制による収入の不安定さがあるというのだ。安定収入を得にくい職業だからこそ、家庭内に経済的なセーフティーネットがある女性が続けやすくなる。

 一方、日本の不動産業界は依然として男性中心だ。営業現場では体育会系気質が色濃く、長時間労働や夜の接待といった慣習もまだ生き残っている。そのため女性の参入はまだ微増。ただし給与体系は基本的に固定給+賞与型で、アメリカほど収入の振れ幅は大きくない。

 こうした数字を並べてみると、米国は「女性が多いが不安定な職業」、日本は「女性が少ないが安定志向が強い職場」と言えるのかもしれない。

 一見すると米国が「進んでいる」と受け止められがちではある。しかし、その裏には、激しい競争、完全歩合制という不安定な収入構造があり、「続けられる人=配偶者などの安定収入に支えられている人」である現実も見逃せない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 3

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  4. 4

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  5. 5

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  1. 6

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  2. 7

    田村亮さんが高知で釣り上げた80センチ台の幻の魚「アカメ」赤く光る目に睨まれ体が震えた

  3. 8

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 9

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  5. 10

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」