来場所綱とりで本格化 モンゴル人力士の「稀勢の里潰し」

公開日: 更新日:

大相撲九州場所 千秋楽

「14日目の万歳コール。あれを白鵬がどう聞いたか……」
 ある角界OBが顔をしかめる。
 大相撲九州場所14日目に大関稀勢の里が横綱白鵬を破ると、会場のファンは万歳三唱。白鵬は唇をかみ締め、悔しげに花道を引き揚げた。

 そして24日の千秋楽、結びの一番はともに1敗同士の白鵬と日馬富士。横綱による千秋楽の相星決戦は08年春場所の朝青龍―白鵬戦以来、実に5年ぶりだった。

 ところが、白鵬はあっさり負けた。立ち合いから日馬富士に速攻を仕掛けられると土俵際へ。この時、白鵬のかかとが一瞬土俵の外に出てしまった。両者気付かずに相撲を取り続けていたものの、すでに軍配は日馬富士に上がっていた。

 消化不良の幕切れにはファンもクビをかしげることしきり。むしろ、この日の最高潮は結びの一番の直前、稀勢の里が鶴竜を下した瞬間だろう。稀勢の里が鶴竜を寄り切るや、満員御礼の館内には割れんばかりの拍手が巻き起こった。これで稀勢の里は「優勝に準ずる成績」の13勝2敗。来場所は綱とりに挑戦することになった。それに比べれば日馬富士の5場所ぶり6度目の優勝など、相撲ファンにとっては刺し身のツマ程度の価値しかない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず