<第29回>“フィギュアの怖さ”を知らされたフリーでの重大ミス

公開日: 更新日:

連載鈴木明子 スケート人生「キス&クライ」

 フィギュアスケートに「付き物」といえばミス。見た目にわかるジャンプの着氷での転倒はもちろんですが、回転不足もミスの一つ。ターンやステップの細かい失敗を含めれば、ノーミスで演技を終える方が珍しいともいえます。

 そんな競技の性質もあるため、ほとんどの選手は完璧な演技を目標にしながらも、本番でミスをしても演技が続けられる準備を練習中から繰り返し行っています。

 例えば、ジャンプで転倒した場合の時間調整。演技中に転んでもプログラムの曲は止まってくれません。演技全体の時間は正確に決められているので、転倒でロスした時間は、その後のジャンプやステップ、技を省きながら時間を調整しなければならない。できる範囲内で元通りのプログラムに戻す「技術」が要求されるのです。そのため、選手の大半は毎回の通し練習中から「この場面で失敗した場合は、次のここを省く」といった具合に、さまざまな状況に対応できるよう訓練しているのです。

 それでも練習でやったことのない失敗が本番で出てくるのがフィギュアの怖いところです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因