<第29回>“フィギュアの怖さ”を知らされたフリーでの重大ミス

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【連載】 鈴木明子 スケート人生「キス&クライ」

 フィギュアスケートに「付き物」といえばミス。見た目にわかるジャンプの着氷での転倒はもちろんですが、回転不足もミスの一つ。ターンやステップの細かい失敗を含めれば、ノーミスで演技を終える方が珍しいともいえます。

 そんな競技の性質もあるため、ほとんどの選手は完璧な演技を目標にしながらも、本番でミスをしても演技が続けられる準備を練習中から繰り返し行っています。

 例えば、ジャンプで転倒した場合の時間調整。演技中に転んでもプログラムの曲は止まってくれません。演技全体の時間は正確に決められているので、転倒でロスした時間は、その後のジャンプやステップ、技を省きながら時間を調整しなければならない。できる範囲内で元通りのプログラムに戻す「技術」が要求されるのです。そのため、選手の大半は毎回の通し練習中から「この場面で失敗した場合は、次のここを省く」といった具合に、さまざまな状況に対応できるよう訓練しているのです。

 それでも練習でやったことのない失敗が本番で出てくるのがフィギュアの怖いところです。

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