著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

白鵬右向きゃ、相撲協会も右を向く

公開日: 更新日:

 円安が進み、差益で輸出大企業だけが肥え太り、現ナマの臭いをかがされて尻尾を振る与党候補者は一斉に師走の地元に散る。一方で現ナマのありがたみを知らぬ国民は年金基金が株取引されても何の実感も湧かぬ。投資やFXに至るまで、今やスマホの画面をポチッと触るだけで済むそんな時代。

 大相撲の懸賞金は土俵を回るのぼり1本につき勝ち力士の懐に現ナマ3万円が入る。結びの一番ともなると20本ほどのぼりが回るから、1番勝てば白鵬は祝儀袋入りの現ナマ60万円を懐にする。白鵬が協会からの給料以外に毎場所600万円を超す祝儀を手にし、手にはしたいが自分の取組前に回るのぼりの魔力に立ちくらみして遠藤は勝てない。なるほどな、面前で現ナマのやりとりがまかり通る大相撲というのは特殊な社会なのだ。

 朝青龍が最も強くて横着だったころにやっていたしぐさ、その現ナマを行司から受け取るときに(いちおう手刀は切るのだが)、わしづかみにしてふんだくったうえに「どうだ、すげえだろ!」とあたりをねめ回していたのがえらく不評だった。勝負がついた後も土俵外までとどめを刺しに行き、肩そびやかし、酒飲んで酔っぱらって一般人を殴った。

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