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渡辺元美横浜高校 前寮母

1970年、神奈川県生まれ。父は横浜高校元監督の渡辺元智氏。幼少期から自宅に同居する野球部員と共に育つ。97年、寮母を務める母の紀子(みちこ)さんの後を引き継ぐ。2017年に管理栄養士免許を取得。父が監督を勇退した3年後の今年3月、寮母を引退。現在は桜美林大のアスリート寮で食事面のサポートを行う。6月に「横浜高校野球部 食堂物語 甲子園、連れていきます!」(徳間書店)を上梓。

いま松坂大輔くんが寮の食事を見たら驚くかもしれない

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■父は選手にも自分にも厳しかった

 横高の監督だった父は私にも厳しかったと思います。思います、というのは、小さい頃からほとんど選手と同じように育てられたので、それが普通だと思っていた。高校生くらいのとき、友達からお父さんに怒られたことがない、ぶたれたことがないと聞いて驚きました。むやみやたらに手を上げるわけじゃないですけど、片付けをしていなかったり玄関の靴が揃っていなかったりすると怒られましたね。「直せ!」と注意されたとき「分かった~」と返事だけして放っておいたら、靴を家の外に投げられて、玄関から消えていたこともありました。

「片付けをする」「食べ物は残さない」……選手に言っていることは私もよく言われました。泣きながら片付けしていましたよ。父の部屋はすごくキレイです。引き出しの中の万年筆を借りて元に戻しても、「引き出し開けただろ」と。

 マネジャーにも、ロッカーや下駄箱を指ですっとなぞって「ココ、汚れているぞ?」と言うらしい。廊下に物が置いてあると「いいか、コレをどかして掃除するんだ。こういうところにホコリがたまるんだから」と。後になって、マネジャーは「社会人になって掃除の仕方を褒められました。『どこで教わったの』と聞かれます」と言っていましたね。

 私は今、横高を離れて桜美林大でお手伝いをさせてもらっています。大学生は半分大人の部分もあるし、自主性が一番なので、食事の時間もバラバラ。好きなものや嫌いなもの、自分の意思が決まっている。この違いで今まさに葛藤中です。

【連載】横浜高校 前寮母が見た球児たち

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