涙の裏には両親の苦労も 大坂なおみを待つ「環境」の変化

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■懸念される“幼さ”の壁

「それにしても、初の4大大会決勝という舞台での落ち着きぶりには驚きました」というのは、テニスジャーナリストの塚越亘氏だ。

「大坂は昨年末、セリーナの練習パートナーだったサーシャ・バインとコーチ契約を結んだ。彼は、わがままな女王と8年間も組んでいた。技術やメンタル、スタミナ面のことまで知り尽くしている。スロースターターのセリーナ相手に最初から足を使わせミスを誘い、主導権を握ったのは、コーチの助言があったからです。セリーナは第2セットの途中で客席にいるコーチからジェスチャーで助言を受けたことによる警告に激怒。そのイライラが尾をひき、ラケットを折り、大声でクレームをつけ、2度目、3度目の警告を受けた。セリーナびいきの会場はブーイングで異様な雰囲気だった。大坂は目の前の相手とは違うものとも戦わなければならなかった。それでも集中力を切らさず、勝負を諦めないセリーナを前に淡々とプレーしていた。課題といわれたメンタル面の壁をひとつ越えました」

 戦略面だけではない。サーシャ・コーチは、上から目線であれこれ言う頭脳派ではない。選手と一緒に汗を流す肉体派。アドバイスも幼い大坂目線でやさしく語りかける。そんなスタンスが「練習嫌いの大坂にはまった」との指摘もある。

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