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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

錦織圭も西岡良仁も大坂なおみも…全米OPは期待薄の根拠

公開日: 更新日:

 先週、全日本ジュニア選手権の会場で珍しい人物に会った。ジミー・アリアスは80年代にポスト・マッケンローを託された米国の若手ナンバーワンだった。残念ながら肘を痛めて早くにコートを離れ、いまはフロリダのIMGアカデミーのヘッドコーチを務める。IMGアカデミーは、錦織や西岡、ウィンブルドンジュニアで優勝した望月慎太郎が拠点とする名門キャンプである。

 錦織と西岡が対戦する日だったので、アリアス・ヘッドコーチに印象を尋ねると「西岡にチャンスがある」という意外な答え。

 この夏、西岡のガッツプレーは絶好調だったが、錦織は世界ランク5位(当時)。そして、結果はヘッドコーチの予想通りだった。西岡の「どんなボールも返せる」というメンタリティーへの評価は定着している。それと同時に、西岡の頑張りを上回る錦織の周辺情報がヘッドコーチの耳に届いていないということではないか。

■マクラクラン勉とダブルス

 焦点が絞れていない雰囲気もある。9月の楽天オープンで、ニュージーランドから移籍したマクラクラン勉とダブルスを組むというニュースは、テニスファンにはそれほどうれしくない。東京オリンピックを想定していると考えるのがスジだし、錦織はダブルスもうまいからメダルチャンスはあるだろう。だが、テニスやゴルフのトップが、メジャーを前にオリンピックの話題をチラつかせちゃオシマイだ。来年のオリンピック騒動は目に見えている。全米はラストチャンス、それくらいの気迫が欲しいが、どうやらボーッと見ているしかないようだ。

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