中国に2-0完勝、W杯自動出場圏内キープも…森保J「3つのアキレス腱」浮き彫りに

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 森保一監督率いる日本代表が、カタールW杯イヤーの初陣を白星で飾った。27日に埼玉スタジアムで行われたW杯アジア最終予選で中国を迎え撃ち、2-0のスコアで勝ち点3を獲得したのだ。

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 これで最終予選の通算成績を5勝2敗とし、勝ち点を15に伸ばした森保ジャパンは、W杯自動出場圏内の「グループBの2位」をキープした。

【①先送りの急造CBへの不安】

 しかし、中国戦の日本代表の戦いぶりから「3つの懸案事項」が浮き彫りとなった。まずは「急造CBコンビの不安は消えない」である。

 中国戦前の森保ジャパンは、ネガティブな空気に包まれていた。

 代表出場歴113試合のDF吉田麻也(33)に続き、英プレミアの名門アーセナルでプレーしている代表28試合のDF冨安健洋(23)が右足痛で戦線を離脱。いずれも代表出場歴が5試合のDF谷口彰悟(30=川崎)と板倉滉(25=独2部シャルケ)に守備の要となるポジションを託すことになったからである。

 しかし、日本代表はラッキーに恵まれた。

 中国は昨年12月に指揮官が代わり、今年に入って50人以上の代表候補選手を集めて上海で強化合宿を行ったが、ブラジルからの帰化選手の合流が遅れるなどスッタモンダ
続き。チームの体を成していなかったからだ。

 元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏が言う。

「監督が交代した中国の情報が乏しく、かえって警戒すべきという声もありましたが、実際の中国は<弱過ぎた>と言っていい。森保監督が試合後に『谷口と板倉の息が合っていた』と言いましたが、シュートがわずかに2本の中国相手に谷口と板倉は仕事をこなす場面がほとんどなく、チームの大黒柱である吉田と冨安の抜けた穴が埋まったのか、中国戦では判然としない。難敵サウジアラビア戦で谷口、板倉が機能するかどうか、未知数と言うしかありません」

 この試合で経験値の浅いCBコンビの課題が浮き彫りになれば、今後に向けて手の打ちようもあったが、それすらできなかった。彼らが機能するかは「未知数」のままだから、不安が先送りされただけなのだ。

決定機をフイにしてばかりの大迫

【②アタッカー陣の決定力不足】

 続いて中国戦前までの最終予選6試合で5得点という「深刻な決定力不足」問題である。

 この日は前半13分にFW伊東純也(28=ベルギー1部ゲンク)のクロスがPA内の相手DFのハンドを誘い、PKのチャンスを1トップFW大迫勇也(31=神戸)が決めて先制。後半16分には伊東がヘディングシュートを叩き込み、2-0で中国を寄せ付けなかった。

 もっとも、大迫はPK以外では見せ場なしに終わり、背番号10のエース番号を背負っているFW南野拓実(27=英プレミア・リバプール)も存在感がなかった。

 メキシコ五輪得点王の元日本代表FW釜本邦茂氏が言う。

「大迫が緊張感の漂う中でPKをきっちり決めたことは評価できる。しかし、それ以外の場面ではチャンスがありながら決め切れず、1トップとしては物足りないプレーに終始した。南野は、果たすべき役割をはき違えているのではないか。いつもエネルギッシュに動き回っているが、献身的なプレーではなく、積極的に仕掛けてラストパスを供給し、チャンスと見たら自らゴールを奪うことでチームの勝利に貢献すべき。大迫、南野ともに中国戦のようなプレーを続けている限り、今後も苦しい状況が続く」

 2018年7月に森保代表監督体制になってから、森保ジャパン得点王争いは「17点の大迫」がトップ。これを「16点の南野」が追い掛け、進境著しい「伊東が8点」で猛追するという展開だ。

 決定機をフイにしてばかりの大迫。最終予選音なしの南野が「チーム内で得点王争い」を演じていること自体、森保ジャパンの“アキレス腱”と言うしかない。

【③最年長35歳DF長友の衰え】

 フィールドプレーヤー最年長の35歳DF長友佑都(FC東京)の衰えも歴然としており、後継者選びが急務となっている。

「長友は中国戦の前半こそ無難にプレーしていたが、後半は自慢のスタミナに陰りが見え始め、攻守に見せ場をつくれなかった。オランダ1部ズウォレに所属する中山(雄太=24)が長友と交代出場した直後、伊東のヘディングシュートをアシストしたが、中山を筆頭に<長友に取って代わるSB>を早急に見つけるべきでしょう」(六川氏)

 27日は、グループB3位に付けるオーストラリアが、ベトナム戦を4-0でモノにして通算成績を4勝2分け1敗・勝ち点14とした。ちなみに2位の日本の得失点差は+4。3位のオーストラリアは+9である。予断を許さぬ状況に変わりはない。森保ジャパンの行く末には、まだまだイバラの道が続いていく。

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