大鵬に勝った佐田の山の自負と屈辱「俺だって横綱だ。インタビューされる覚えはない」

公開日: 更新日:

高安に誰もが納得の「おめでとう」はいつ?

 2006年に雅山(現二子山親方)が三役で2桁勝ち星を続け、大関返り咲きのチャンスをつかんだことがある。当時の審判部長は大乃国の師匠、放駒親方(元大関魁傑)。報道陣から「2度目は多少、条件が甘くなりますか」と聞かれ、「それを私に聞くの?」と、悲しそうな目で苦笑いを浮かべた。

 魁傑は大関から転落した直後に1場所で復帰を果たせず、出直して3場所36勝を挙げ、返り咲いた。努力の人・魁傑を象徴する復活劇だが、当人には転落した屈辱と無念の方が、胸の奥深く沈殿していたのだろう。降格のない横綱の苦しみは、なった人にしか分からないが、降格がある大関にもまた違う重圧がある。

 大関在位4場所で転落した御嶽海は、10勝すれば大関に戻れる今場所に、どこまで深い思いを抱いて臨んだか。大関カド番の正代は、先場所よりも相撲に気迫は見えるが、落ちた時の自分をどれだけ想像できていたか。そして高安に、誰もが納得できる「おめでとう」の言葉が降り注ぐ日は来るだろうか。

▽若林哲治(わかばやし・てつじ)1959年生まれ。時事通信社で主に大相撲を担当。2008年から時事ドットコムでコラム「土俵百景」を連載中。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    麻生太郎が「皇室典範」改正を急ぐ理由は…“日本会議の30年の集い”に間に合わせたいから

  2. 2

    佐藤二朗の地上波ドラマはしばらく厳しいが…橋本愛の事態はもっと深刻

  3. 3

    福山雅治も結婚後は苦戦…亀梨和也も正念場を迎えている

  4. 4

    大谷翔平のホワイトハウス訪問に思わぬ落とし穴…トランプ大統領の「余計な援護射撃」に要注意

  5. 5

    48年ぶり映画出演の由美かおるさんが語る 人生が変わった瞬間「11PM」「水戸黄門」エピソード

  1. 6

    日本ハム伊藤大海が受けた甚大被害 WBC「本当の戦犯」は侍ジャパンのベンチだった!

  2. 7

    佐藤二朗vs橋本愛ハラスメント騒動は「文春嫌い」「フジテレビ嫌い」「共産党嫌い」が絡み合うカオスに

  3. 8

    国会嫌い高市首相「2つの疑惑」からの逃げ切りも画策…逆ギレから3週間、「秘書陳述書」提出の動きなし

  4. 9

    要潤、玉山鉄二、速水もこみち…40代イケオジ俳優3人の「人生いろいろ」

  5. 10

    西武は渋谷店閉店、池袋本店はヨドバシカメラに…海外ブランドに振り回される国内百貨店の実態