初戦で6得点のWハットトリック 「10点以上取って勝て」長沼監督の指示は明快だった
前半をFW宮本輝紀さん(当時26歳=八幡製鉄)とFW杉山隆一さん(同26歳=三菱)のゴールで折り返し、2-2の後半25分に勝ち越しゴールを叩き込んだが、わずか2分後に韓国に同点ゴールを決められ、大一番は3-3のドロー決着となった。
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メキシコ行きは日本-南ベトナム戦、韓国-フィリピン戦の結果次第となった。ここで韓国代表のチーム関係者が失言してしまった。「口は災いのもと」とはよく言ったものだ。(つづく)
(取材・構成=絹見誠司/日刊ゲンダイ)
▽釜本邦茂(かまもと・くにしげ) 1944年4月15日生まれ。京都市出身。京都・山城高から早稲田大。ヤンマーでは監督兼選手も務めた。日本リーグ通算202得点と通算79アシストは歴代1位。国際Aマッチ76試合75得点は男子歴代1位。64年東京五輪出場。68年メキシコ五輪で銅メダル。アジア人初の得点王。第1回日本サッカー殿堂掲額。2014年に旭日中綬章受章。大学、代表の先輩から親しみを込めて「ガマッチョ」という愛称で呼ばれている。