「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ
「レギュラーを休ませても、今の日本ハムは控え選手が充実している。遜色ない打線を組み、セ防御率トップの山崎伊を攻略したのだから大したものです。日本ハムはここにきて、選手層が厚くなった。4年目の新庄監督は就任1年目に『トライアウト』と称し、若手を育成、抜擢。2年連続最下位と苦しみながら、昨季は2位に躍進。今季は優勝も視野に入れている。九回1死まで無安打投球と好投した先発の北山もドラフト8位で入った選手。補強に頼らず、アマの逸材を獲得し、育成してきたことが実を結んでいます」
一方の巨人はどうか。
打線は北山の前に九回1死まで手も足も出ず、大城卓がやっとの思いでソロ本塁打を放ったものの、わずか1安打1得点。阿部監督は「最後、何とか意地を見せてくれたので、今日はそれでいい」と潔く敗戦を認めざるを得なかったが、主砲の岡本和を故障で欠く打線は、交流戦打率12球団ワースト2位の.214と一向に貧打から抜け出せない。
「ドラフトで獲得した自前の選手をしっかり育てる日本ハムと、中堅、若手が伸び悩む巨人との差が改めて浮き彫りになった。岡本が離脱して慌てた阿部監督は、ソフトバンクから大砲候補のリチャードを獲得。いきなり本塁打を放ったまでは良かったが、あえなく二軍落ちとなった。付け焼き刃の補強では、根本的な解決にならない。泉口、増田陸といった若手を積極的に使ってはいるものの、特に野手の選手層の薄さは顕著。補強に頼ったチームづくりを続けてきたツケが、野手陣に表面化していると言えます」(山崎氏)
かつて日本シリーズで8連敗を喫したソフトバンク、交流戦6連敗中のオリックスとともに、新たに「日本ハム恐怖症」も加わりそうである。