元ヤクルト宮本慎也さん「野球人生の支えは2つの言葉」…母親が医者に言った一言、同志社大監督からの喝
大谷翔平が特別な存在というのは間違い
プロに入ってわかったのは「腰が痛い」「どこが悪い」と言う人が多いことです。でも、それは全部、自分自身の問題だということ、言い訳するな、です。ヤクルトの野村監督の時代に「言い訳は進歩の敵」というテーマのミーティングがあって「大学時代に教えてもらったことと一緒だ」と思いました。
現役を退いてからいろいろ野球の勉強はしてきているつもりです。今は新しい角度からデータは出てきていて、それがほぼほぼ正しい。そこはこれまで自分がやってきたものとは異なっていることは認めざるを得ない。現役時代との大きな変化です。
選手をやめてから4年間の評論家生活を経てヤクルトで2年間コーチをやりました。ヤクルトでは選手に半強制的にやらせたような部分もあったけど、選手とのコミュニケーションで足りない部分に気がつき、やめた後で数字的な勉強をしました。
僕のプレースタイルは完全に脇役。こういう選手はいらないかというと、2人も3人もいらないとは思っています。この前、歴代通算犠打の記録が話題になったけど、バントは打てないからやるんです。あれって本当は恥ずかしいというのが僕の考え方。終盤の緊迫した試合の時は別にして、ですけどね。
メジャーの話をすると、多くの人は現在、活躍している日本人選手の大谷翔平、鈴木誠也、吉田正尚を特別な存在として見ていると思う。僕はそれがそもそも間違いだと思っています。
そんな考え方をデータから読み込んで、野球観戦の一助にしてもらいたいと思って書いたのがこの本です。
(聞き手=峯田淳)