「屋久島発、晴耕雨読」長井三郎著

公開日: 更新日:

 屋久島で生まれ育ち、故郷の自然を子孫に残す活動に携わってきた著者が、その思いと島の暮らしをつづったエッセー集。

 かつて風呂やかまどで薪を使っていた時代、台風の後の海辺では山から大量に流れだし打ち寄せられた木材の争奪戦が繰り広げられたという。そんな思い出を語りながら、風呂をたく炎を眺めていると「つつましく生きることが、人の務めなのだということに」気づかされると記す。その他、思いつきで始まった元日の島1周100キロウオーク顛末記や、農家を志し土地の取得に明け暮れた日々のことなど。自らの子供時代の思い出をふんだんに盛り込みながら離島暮らしの実際を伝える。

(野草社 1800円)


【連載】土曜あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手