「ディストピアとユートピア」山口謠司著

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 著者によると、漢詩は「ディストピア(=希望のない世界)」である「現実」を、「ユートピア」に変えるために必要な豊かな精神を育ててくれるという。漢詩を鑑賞しながら、ユートピアはどこにあるのか、人間はどこに向かおうとしているのかを問う漢詩入門書。

 何度も挫折を味わいながら、生涯で9200首という膨大な数の詩を残した900余年前の中国の詩人・陸游の人生、小説で西洋的近代のなかで生まれてくる人々の知識と欲を描く一方、晩年、もっとも時間を費やした漢詩に東洋的な理想郷を求めていた夏目漱石、そして詩聖と呼ばれる杜甫など。各人の作品をヒントに、ユートピアについて考える。(dZERO 1900円+税)


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