「にっぽんフクシマ原発劇場」八木澤高明著

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 児童労働、内戦、売春、エイズ、貧困などをテーマに、アジア諸国や国内を回ってきた著者が、前代未聞の原発事故現場となった福島に飛び込んで生々しい現実を写真と文章で切り取った衝撃のルポ。

 帰還困難地域となった浪江町で酪農を営んでいた夫婦との出会いをきっかけに、住人たちの自殺や事故死や病死、ペットや家畜動物の野生化、作業員で賑わう歓楽街、故郷の喪失を再確認する一時帰宅、元原発作業員の告白など、福島で今起きている修羅場の扉をためらうことなく次々と開けていく。

 社会のためではなく自身の「自分の目で見たい」という衝動に突き動かされて飛び込んだ福島には、何代にもわたって山野を切り開き、土地を耕し、人々が少しずつ積み重ねてきた歴史と生活を一瞬にして葬ってしまった原発事故の暴力性があった。事故から4年が過ぎ、すでに「記憶の半減期」ともいわれる昨今、本書の生々しい証言とモノクロの写真が伝えてくれるものは大きい。

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