「日本の童貞」澁谷知美著

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 1920年代、童貞はカッコイイとされ、童貞が自ら童貞性を賛美していたという。童貞受難の現代、童貞であることは「悩まし」く「後ろめたい」ことであり、その地位は極めて低い。戦前、戦後の史料を分析しながら、その変化の過程と理由を探る論考。

 近代化以前の共同体では「筆おろし」などの儀式が行われ、童貞のいない時代・空間があった。そうした中、20年代の学生たちが確立した童貞=美徳論は、前例のない新しい概念だった。しかし、60年代半ばを分岐点に童貞は美徳から「恥」へと変わり始める。そうした変化をたどりながら、童貞であることに恥じらいを覚えるような社会とはどのような社会なのかを考察する。(河出書房新社 810円+税)

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