「日本の童貞」澁谷知美著

公開日: 更新日:

 1920年代、童貞はカッコイイとされ、童貞が自ら童貞性を賛美していたという。童貞受難の現代、童貞であることは「悩まし」く「後ろめたい」ことであり、その地位は極めて低い。戦前、戦後の史料を分析しながら、その変化の過程と理由を探る論考。

 近代化以前の共同体では「筆おろし」などの儀式が行われ、童貞のいない時代・空間があった。そうした中、20年代の学生たちが確立した童貞=美徳論は、前例のない新しい概念だった。しかし、60年代半ばを分岐点に童貞は美徳から「恥」へと変わり始める。そうした変化をたどりながら、童貞であることに恥じらいを覚えるような社会とはどのような社会なのかを考察する。(河出書房新社 810円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状