「イルカ漁は残酷か」伴野準一氏

公開日: 更新日:

 イルカ漁には、食肉としての漁と、漁師が捕る魚を食べる害獣としての駆除、水族館に依頼されて生きたままのイルカを捕獲するものの3種類がある。

「人間と同じ哺乳類で知能も高いイルカを殺すのはおかしいという抗議に対して、日本独自の文化だという反論もありますが、現在のような追い込み漁が始まったのは明治時代からで、そんなに古いものではないんです。イルカ漁をめぐる対立は、単なる感情的な対立に過ぎません。今はイルカの惨殺問題と絡めて議論されていますが、イルカの屠殺をやめれば、トラやクマが動物園で飼われていること、水族館でイルカを飼育することを冷静に比較してどうなのかという公平な議論が、初めて可能になると思いますね」

 このまま捕獲し続ければ、水族館に売るイルカも食肉用のイルカも枯渇することは見えている。シーシェパードに反論している人も、イルカを取り巻く状況を把握しているわけではない。

「イルカ漁の歴史があろうとなかろうと、それとは関係なく今、イルカ漁を資源管理的、動物福祉的に見てどうするかということを、考えなくてはならないのではないでしょうか」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々

  4. 4

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  5. 5

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  1. 6

    カミソリをのみ込んだようなのどの痛み…新型コロナ「ニンバス」感染拡大は“警戒感の薄れ”も要因と専門家

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  4. 9

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  5. 10

    辻希美“2億円豪邸”お引っ越しで「ご近所トラブル」卒業 新居はすでに近隣ママの名所