トランプ政権誕生の原動力になったアメリカ底辺層のリアル

公開日: 更新日:

「超一極集中社会アメリカの暴走」小林由美著

 あまりに極端なアメリカにおける富の偏在。なにしろ上位0・1%の人間たちだけが大半の富を独占し、貧困層はもとより堅実な中産階級が没落の一途をたどっている。それがトランプというトンデモ大統領を誕生させたのだ。

 旧長銀で初の女性エコノミストだった著者は退社して米国でMBAを取得。以後、ウォール街で初の日本人女性証券アナリストとなった。つまり富の一極集中の裏側を知り尽くした立場だけに現状の分析もあくまで具体的で明快。グローバル化で工場労働が海外に移転したのが下層中間層の没落を招いたといわれるが、今後はAIの導入で本来の市場に近い米国内に工場が回帰する可能性が高い。だが、それはロボット工場なのでブルーカラーの職は増えないのだ。(新潮社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も

  4. 4

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  5. 5

    「いっぷく!」崖っぷちの元凶は国分太一のイヤ~な性格?

  1. 6

    《ヤラセだらけの世界》長瀬智也のSNS投稿を巡り…再注目されるTOKIOを変えた「DASH村」の闇

  2. 7

    元女優・宮崎ますみさんは6年前から八ヶ岳山麓に移住しコメ作り 田植えも稲刈りも全部手作業

  3. 8

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  4. 9

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  5. 10

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由