「飛燕の簪(ひえんのかんざし)」知野みさき著

公開日: 更新日:

 縫箔(ぬいはく)師の咲は注文のたばこ入れを納めに日本橋の小間物屋へ。縫箔師とは、たばこ入れや財布、くし入れなどの小物に刺繍と金銀の箔で模様を施す職人だ。帰り道、咲は立ち寄った店で目にした銀の簪に一目ぼれする。飛燕とモクレンの意匠が見事で聞くと今人気の錺(かざり)師・修次の作だという。欲しいが、値段を聞いて二の足を踏んでしまう。

 翌日、それでも諦められず再び店を訪ねると、当の修次が現れ、簪は出来損ないなので売れないという。そして店の手代と修次、そして咲が店頭でもめていると、現れた子供が簪を奪って逃げ出し、後を追いかけた修次と咲は、犯人が逃げ込んだ神社で簪を手にした男の子に出会う。

 幼くして両親を亡くし長屋で暮らす女職人を主人公にした時代連作集。

(角川春樹事務所 640円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞