「飛燕の簪(ひえんのかんざし)」知野みさき著

公開日: 更新日:

 縫箔(ぬいはく)師の咲は注文のたばこ入れを納めに日本橋の小間物屋へ。縫箔師とは、たばこ入れや財布、くし入れなどの小物に刺繍と金銀の箔で模様を施す職人だ。帰り道、咲は立ち寄った店で目にした銀の簪に一目ぼれする。飛燕とモクレンの意匠が見事で聞くと今人気の錺(かざり)師・修次の作だという。欲しいが、値段を聞いて二の足を踏んでしまう。

 翌日、それでも諦められず再び店を訪ねると、当の修次が現れ、簪は出来損ないなので売れないという。そして店の手代と修次、そして咲が店頭でもめていると、現れた子供が簪を奪って逃げ出し、後を追いかけた修次と咲は、犯人が逃げ込んだ神社で簪を手にした男の子に出会う。

 幼くして両親を亡くし長屋で暮らす女職人を主人公にした時代連作集。

(角川春樹事務所 640円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 4

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  5. 5

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  1. 6

    ソシエダ久保建英にポルトガル名門への移籍報道…“あり得ない振る舞い”に欧州ザワつく

  2. 7

    「続・続・続」待望の声続々!小泉今日子&中井貴一「最後から二番目の恋」長寿ドラマ化の可能性

  3. 8

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  4. 9

    旧ジャニーズ「STARTO社」福田淳社長6月退任劇の内幕と藤島ジュリー景子氏復権で「お役御免」情報

  5. 10

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇