漫画家 まつもと泉(55)さん 脳脊髄液減少症 ㊦

公開日: 更新日:

 治療はブラッドパッチ治療法といって、髄液の漏れている箇所(脊髄硬膜外)に自分の血液を注入し、炎症反応を起こさせて体に修復させるものです。私の場合、治療を始めて1カ月で、5年も苦しんだ頭痛や肩痛から解放され、起き上がることができました。そして約半年、数回の治療で快方に向かい、机に向かえるようになったのです。

 治療効果もさることながら、科学的に自分の病気を検証されたことが何よりうれしかった。腰、頚椎、首辺りから髄液が漏れているのがMRIで判明したのです。

 当時、漫画家としての活動停止に対し一部から誹謗中傷を受けました。また、医師に症状を訴えても信じてもらえず、家族にも心の病だと思われ、精神科医にも理解してもらえなかった。誰にも信じてもらえないことが何よりの苦痛。ところが、専門医は「その通り! 検査結果で出ています」と初めてこの病気を肯定してくれた。低脳圧は病気の証明になり、整体の先生がおっしゃった「脳圧が下がっている」という診断も合っていたのです。

 治療で症状が改善した脳脊髄液減少症ですが、2012年に転んで尻もちをついたことがきっかけで、症状をぶり返しました。そこでこの病気の治療の第一人者である国際医療福祉大学熱海病院の篠永正道先生のところに入院しました。念には念を入れて3カ月間、体を起こさずにいると、転倒前より状態も良く、なんとか普通の生活ができるようになりました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  4. 4

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"

  5. 5

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  1. 6

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  2. 7

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  5. 10

    永野芽郁&田中圭の不倫スキャンダルをスルーするテレビ局の身勝手…ジャニーズの時の反省は?