著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

【大島康徳さんのケース】大腸がんステージ4でも18%の“勝ち組”に入る条件

公開日: 更新日:

 この薬は、抗がん剤のオキサリプラチン、分子標的薬のアバスチンと3剤を組み合わせて使うのが一般的。ステージ4の大腸がんは20年前だと余命3カ月程度でしたが、現在は2~3年に延びています。その効果は、分子標的薬によるところが大きいでしょう。48歳で亡くなった私の義姉も、大腸がんと診断されたとき転移がありましたが、こうした治療で4年ほど延命しました。

 大島さんのケースは、原発の大腸がんを手術で切除できたのがラッキーでしょう。ステージ4の大腸がんの5年生存率は18%と低いのですが、手術できると「18%」に入る可能性が高まります。ジャーナリストの鳥越俊太郎さんは、原発の大腸がんも転移がんもすべて手術で克服。大腸がんの手術からは12年が経過しています。

■検便と脱メタボの生活

 しかし、ステージ4で手術できるかどうかは、微妙なところ。ステージ1なら98%は完治しますから、早期発見に努める方が無難。ぜひ1年に1回の検便を心掛けてください。検便で早期に異常を発見できれば、死亡率が低下することが国際的に明らかなのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々

  4. 4

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  5. 5

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  1. 6

    カミソリをのみ込んだようなのどの痛み…新型コロナ「ニンバス」感染拡大は“警戒感の薄れ”も要因と専門家

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  4. 9

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  5. 10

    辻希美“2億円豪邸”お引っ越しで「ご近所トラブル」卒業 新居はすでに近隣ママの名所