著者のコラム一覧
若林秀隆医師

東京女子医科大学病院リハビリテーション科教授・基幹分野長。近著「幸福寿命~リハビリ専門医が教える本当に幸せなシニアライフ」発売中。

餓死を招くケースも リハビリにおける栄養管理の重要性

公開日: 更新日:

 リハビリにおいて、栄養管理が非常に重要だと考えられ始めたのは2010年以降でしょうか。私が「リハ栄養」に関する本を出したのがきっかけになったと思います。

 私自身、医学教育で栄養についてしっかり学ぶ機会がなかったこともあり、かつては栄養に対してほとんど関心がありませんでした。多くの医者が今でもそうでしょう。

 そんな私が栄養の重要性を意識したのは、ある高齢の患者さんの死がきっかけです。

 その方は脳梗塞でリハビリをなさっていた方でした。脳の働きは正常でしたが、脳梗塞の後遺症で体のバランスを取りにくくなっており、さらに重度の嚥下(えんげ)障害がありました。

「リハビリを一生懸命やって、早く自宅復帰をしたい」

 その一念で、非常に熱心にリハビリに取り組んでいました。ところが、リハビリをやればやるほど、どんどん痩せていく。飲食ののみ込みがうまくいかないことと、栄養管理が悪かったことが原因です。

 私はリハビリの訓練量を減らし、摂取エネルギーを増やしてもらうように主治医に依頼しました。ところが、「まずは太ってもらわなければ」と思った時点で、すでに時が遅かったのです。栄養状態を改善できないまま、その患者さんは餓死されました。栄養管理をきちんとしていれば、死ぬことがなかった患者さんでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 2

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 3

    嶋基宏は一時期ノイローゼ状態になっていた...心ここにあらずで、魂が抜けた状態に

  4. 4

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

  5. 5

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  1. 6

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  2. 7

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 8

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 9

    居酒屋倒産が過去最多ペース 客離れの背景にある「飲み放題5000円」の壁

  5. 10

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に