著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

<3>心筋梗塞や脳梗塞、エコノミー症候群になりにくい?

公開日: 更新日:

 避難生活などで、狭い場所に長時間じっとしていると、リスクが上がります。また、がんなどの大手術の後も危険で、外科医がもっとも恐れる合併症のひとつになっています。

 血が固まりにくいO型は、非O型(A・B・AB型)と比べて深部静脈血栓症や肺塞栓症が少ないことが、以前からある程度、分かっていました。2016年にはデンマークとスウェーデンの研究者たちが行った研究で、詳細な数字が明らかになりました。1987年から2012年までに両国で献血を行った111万2000人(O型44万6000人、非O型66万6000人)を追跡調査するという大規模な研究です。

 調査期間中に、合計9170人が静脈血栓症を発症しましたが、血液型による発症リスクを計算したところ、非O型はO型と比べて、肺塞栓症で1・75倍、深部静脈血栓症で1・92倍、その他の静脈血栓症で1・53倍、リスクが高いことが示されたのです。特に、妊娠中の女性では、トータルで2・22倍もリスクが高いことが確認されました。静脈系の血栓症でO型が有利なのは、もはや疑う余地がありません。

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