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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

元ヴェルディ藤川孝幸さん急逝 胃がん早期発見のためには

公開日: 更新日:

 無慈悲な医師の言葉を乗り越えて1年。粘り強い姿を直接見たわけではありませんが、その闘病ぶりは現役時代のプレースタイルに通じるところがあります。

 受診のキッカケは、背中の激痛だったとか。その病状から察すると、胃がんが直接、あるいはリンパ節への転移が、胃の裏の神経を圧迫したと考えられます。このような痛みは、すい臓がんでもよく起こること。

 その痛みの緩和には、放射線治療が効果的ですが、どんながんであれ、がんによる痛みは初期には見られません。症状をあてにしていては、がんを見過ごすことになります。特に胃がん大腸がんは今や早期ならほぼ100%根治できますから、そのチャンスを逃すのはもったいない。

 藤川さんは「奇跡」を信じて、治療に励んでいました。奇跡はかないませんでしたが、医師として私がそのメッセージをくみ取るなら、藤川さんの死を無駄にしないことだと思います。それが早期発見のための内視鏡検査とピロリ菌のチェックでしょう。

 胃がんの原因は、98%がピロリ菌ですから、検査で陽性と診断されたらとにかく除菌です。しかし、感染したという履歴は消えません。だから、内視鏡検査を1年に1回受けるのです。

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