腎細胞がんは常識が通じない いま知っておきたい4つのこと

公開日: 更新日:

オプジーボとヤーボイの併用では、全生存期間の延長だけでなく完全奏効(腫瘍が完全に消える)の可能性も出てきました。さまざまな薬剤が微小免疫環境に影響するのです」

 ただし、副作用の問題から、すべての進行がんに複合免疫療法が行われるわけではない。ヘモグロビン値、好中球、血小板など6項目の“予後予測因子”からリスクを低・中・高(Favorable・Intermediate・Poor)の3つに分け、適用のグループに該当した場合に複合免疫療法になる。予後予測因子がゼロ(3つのグループのうちリスクが最も低いFavorable)なら従来の分子標的薬、3個以上の高リスク(Poor)は複合免疫療法だ。

「10人患者がいたら、6人は予後予測因子が1~2個該当するIntermediate(中リスク)というケースが多い。しかし、皆が同じ予後ではなく、Poor(高リスク)に近い人、Favorable(低リスク)に近い人もいます。私たちの研究では、体内に炎症が起こっていることを示す数値CRPが0・6以上がPoorに近く、未満がFavorableに近い」

 だからIntermediateの中リスクでは、CRPの数値を参考に従来の分子標的治療で行うか、オプジーボとヤーボイの併用療法を行うかの判断をしている。

 いずれにしろ、腎細胞がん治療が、新たな一歩を踏み出したことは確かだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  2. 2

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  3. 3

    だから今年の日本女子オープンはつまらない…“簡単コース”で予選カットラインは史上最少「-1」

  4. 4

    森保監督がブライトン三笘薫を代表招集外にしたウラ側…10日パラグアイ戦、14日ブラジル戦へ

  5. 5

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  1. 6

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  2. 7

    フリーの風間俊介&生田斗真は大活躍も…旧ジャニ「ドラマ班」次世代は“自称”止まりの寂しい現状

  3. 8

    テレビはグルメ、熊、線状降水帯ばかり…もっと大事なことを放送したくないための隠れ蓑か

  4. 9

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  5. 10

    次の自民党総裁選が誰でも菅義偉が“陰の主役”…絶対王者の力の源泉は何なのか?