腎細胞がんは常識が通じない いま知っておきたい4つのこと

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オプジーボとヤーボイの併用では、全生存期間の延長だけでなく完全奏効(腫瘍が完全に消える)の可能性も出てきました。さまざまな薬剤が微小免疫環境に影響するのです」

 ただし、副作用の問題から、すべての進行がんに複合免疫療法が行われるわけではない。ヘモグロビン値、好中球、血小板など6項目の“予後予測因子”からリスクを低・中・高(Favorable・Intermediate・Poor)の3つに分け、適用のグループに該当した場合に複合免疫療法になる。予後予測因子がゼロ(3つのグループのうちリスクが最も低いFavorable)なら従来の分子標的薬、3個以上の高リスク(Poor)は複合免疫療法だ。

「10人患者がいたら、6人は予後予測因子が1~2個該当するIntermediate(中リスク)というケースが多い。しかし、皆が同じ予後ではなく、Poor(高リスク)に近い人、Favorable(低リスク)に近い人もいます。私たちの研究では、体内に炎症が起こっていることを示す数値CRPが0・6以上がPoorに近く、未満がFavorableに近い」

 だからIntermediateの中リスクでは、CRPの数値を参考に従来の分子標的治療で行うか、オプジーボとヤーボイの併用療法を行うかの判断をしている。

 いずれにしろ、腎細胞がん治療が、新たな一歩を踏み出したことは確かだ。

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