著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

大規模な臨床研究の結果が 人工甘味料の健康リスクとは

公開日: 更新日:

「疲れた時には甘いものが一番」という人は多いと思います。糖質は体にとって必要な栄養素ですし、効率のいいエネルギー源でもあります。その一方でブドウ糖や果糖といった糖質は、甘いのでどうしても取り過ぎてしまい、肥満につながることが多いのです。自然の果物には糖分は含まれていますが、食物繊維やミネラルなど、健康に良い成分も多く含んでいるので、糖の吸収も穏やかとなり、健康への悪影響は食べ過ぎなければあまりありません。

 問題となるのは、ジュースなどに大量に含まれている甘味料です。これを砂糖加糖飲料と呼んでいます。最近ではジュースによるカロリー過多を抑えようと、カロリーのない人工甘味料が多く使われています。しかし、この人工甘味料にも、食欲を増進して過食の原因となるような危険性が指摘されています。

 それでは、実際に砂糖加糖飲料と人工甘味料を含む飲み物には、どれだけの健康リスクがあるのでしょうか? 今年の心臓病などの専門誌に、それについての大規模な臨床研究の結果が発表されています。それによると砂糖加糖飲料を毎日2本以上飲む人は、飲まない人と比べて20%以上、死亡のリスクが高くなり、人工甘味料でも同じ量を飲む人は、13%死亡のリスクが増加していました。砂糖ほどではないにしても、人工甘味料に健康への悪影響があることは事実であるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々