著者のコラム一覧
和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

症状を遅らせるにはスキンシップも極めて大事になる

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 はじめのころは不満を口にしていた母親だったが、ある日を境にデイサービスやヘルパーの訪問を楽しみにするようになった。きっかけは若いヘルパーの女性が足の爪を切ってくれたことだったという。それまで、爪切りに苦労していたが、優しい態度で爪を切ってくれるヘルパーに感激したそうだ。

 知人によれば、以来、会話やスキンシップの機会が増えたためか、母親の表情も明るくなり、認知症の進行も感じられないというのだ。自分にはできなかったスキンシップの効用を改めて知り今では週1回母親宅を訪れるたびに、肩、背中、手足のマッサージをしてあげているという。

 医学的にも、スキンシップはオキシトシンという脳内ホルモンの分泌を促すことが認められている。このオキシトシンは「愛情ホルモン」とか「幸せホルモン」と呼ばれ、安心感、親近感、痛みの軽減、血圧や血流の安定、ストレス緩和などに深く関係している。会話はもちろんだが、スキンシップもまた認知症の進行を遅らせる重要なコミュニケーションのひとつだと考えておくべきだ。

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