著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

円楽は3週間入院 肺がんの脳転移は治療の順番が延命を左右

公開日: 更新日:

 早期発見が何よりでしょう。落語家の三遊亭円楽さん(69)が、脳腫瘍で3週間入院して治療を受けると報じられたことです。

 報道によると、1カ月ほど前から気分が落ち込むようになり、医療機関で検査を受けたところ脳腫瘍が発見されたといいます。8月上旬まで仕事を休むものの、早期発見で生活には支障がないそうです。

 このニュースを耳にして気になったのが、昨年に手術された肺がんとの関係。円楽さんの脳腫瘍が肺がんとは別にできた脳腫瘍なのか、肺がんが転移した脳腫瘍なのかは分かりませんが、一般に肺がんは脳に転移しやすいのです。

 がんが脳に転移するのは、10人に1人。がんの種類別で最も多いのが肺がんで46%、そのうち喫煙とは関係ないタイプの肺腺がんが6割弱を占めています。転移性脳腫瘍のおよそ3割は、肺腺がんからの転移というのが現状です。乳がんの15%と比べると、肺がんが脳に転移しやすいことが見て取れるでしょう。

 肺腺がんの脳転移は、小さい腫瘍が多発するのが特徴。円楽さんのような気分変調の原因の可能性はありますが、ほかの症状が出ることはあまりありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景