花粉との兼ね合いで困る尿漏れは1000万人が苦しむ…対策は

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 関東から西のエリアでは、スギ花粉の飛散量が増えている。暖冬の影響で、花粉症のピークは全国的に例年より早まる傾向だ。花粉との兼ね合いで困るのが、実はトイレの問題。春は、尿漏れに苦しむシーズンなのである。そこで尿漏れ対策を特集する。

 ◇  ◇  ◇

 P&Gは20代から60代の男女1万人を対象に「花粉症とUI(尿漏れ)」についてインターネットで調査。20日に発表された調査結果によると、花粉症で、せきやくしゃみのときに尿漏れの経験がある人は、男性は3・8%、女性は11・0%。花粉症に限らないと、13・5%と43・2%。せきやくしゃみには要注意だ。

 女性は、男性に比べて尿道が短く、尿をためたり排出したりする尿道括約筋の力が弱い。尿漏れが男性より女性に多いのはそのためで、せきやくしゃみのほか、重い荷物を持ち上げたときや笑ったとき、筋トレで踏ん張ったときなどに「あ、ヤバい」とパンツを濡らして、「染みてないかなぁ」とこっそりと周りを見る。お腹に力が入ることで漏れることから腹圧性尿失禁という。

 腹圧性が女性に多いのはデータの通りだが、男性も無縁ではない。中高年男性におなじみの前立腺肥大症だ。前立腺肥大症の60代男性が言う。

「トイレの便器の前に立つと、なかなか出ない上、出てもちょろちょろ。外出先などで後ろに人が並ぶと、余計にひどく、お腹に力を入れないと、うまく出ない。それで、トイレを離れると、残尿感があって、しばらくすると、また行きたくなる。そんなときにたまたま笑ったりして、お腹に力が入ると、恥ずかしながら漏らしてしまうことがありました」

 前立腺は尿道を取り囲んでいる。それが肥大化すれば、ホースが縛られたような状態で、尿の勢いの弱さや残尿感、それに伴う頻尿が主な症状。尿漏れとは逆方向のイメージだが、腹圧性の尿漏れとも関係するのだ。男性は手術で前立腺肥大を治して、頻尿と尿漏れはよくなったが、手術をためらう人は薬で治療することになる。

 腹圧性とは別に、急に催したり、我慢できなくなったりするのが、切迫性尿失禁。正常な排尿は1日せいぜい7回で、8回以上が頻尿だ。十分に尿がたまっていなくても尿意が起きたり、我慢できずに漏らしたりする状態は、過活動膀胱と呼ばれる。

 2003年に行われた日本排尿機能学会の疫学調査によれば、40歳以上の有病率は12・4%。今の人口構成にあてはめると、約1000万人と推計される。

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