AIが心電図からカテーテル治療の要否を判定 見落としを減らす

公開日: 更新日:

 そこで、診断にかかる時間(通常30~60分)を最短にすべく、研究・開発されたのが「心電図1枚のデータ」のみで、カテーテル治療を必要とする患者を瞬時に判定するAIだ。心電図だけなら数分以内に検査が終わる。

 このAIには、過去に慶応大病院の救急外来を受診した約4万人の心電図データを学習させている。

 心電図データは、臨床で医師が見るときは紙に波形で表されるが、AIには波形の画像データとしてではなく2ミリ秒ごとの電位の数値データ(時系列データ)として取り込んでいる。

 検証したところ、80%以上の精度でカテーテル治療の要否を判定できることが確認されたという。

「このようなAIは、夜間の当直など、専門医が不在のときにこそ大いに役立ちます。たとえば、胸痛を訴える患者さんが来院して循環器内科医がいない場合、心電図の検査はすると思いますが、心電図を読むには専門性が必要です。深夜に循環器内科医を呼び出すべきか迷うと、見落としが起こり得ます。そんな専門外の医師の診断の補助に活用することで、見落としを減らすことができるでしょう」

 実用化はまだ分からないが、心電図データとAIの相性がいいことが、世界で初めて検証されたわけだ。

【連載】コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か