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田中智子「うぐいすヘルスケア株式会社」代表取締役

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

難聴は認知症の最大の危険因子…軽度でも発症率が2倍高い

公開日: 更新日:

 認知症の危険因子として近年、注目を集めているのが難聴です。

 2020年、世界5大医学雑誌の一つである「ランセット」にこんな論文が掲載されました。それは、認知症の40%は予防可能な要因であるというもの。

 予防可能な要因としては難聴、喫煙、うつ、社会的孤立、高血圧運動不足、糖尿病、過剰アルコール摂取、肥満などがあり、この中で難聴は8%を占め、最大の危険因子だと指摘されました。高血圧は2%、糖尿病は1%ですから、いかに難聴の影響が大きいかが分かるかと思います。

 厚労省は、認知症対策として15年に「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」を策定し、難聴を加齢、高血圧、糖尿病とならぶ認知症の危険因子として挙げていますが、一般の人への認知度はまだまだのように感じます。難聴を自覚して補聴器を持っている人は14・4%。逆に言うと、聞こえづらさを自覚しながら、85・6%の人は難聴を放置しているのです。

 なぜ、難聴は認知症リスクを上げるのか? それは、聞き取れない会話を交わすうち、相手から誤解されたり疎外され、次第に社会的に孤立し、知らぬうちに認知機能が低下してしまうからです。

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