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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

大腸がんだった大島康徳さんは70歳で…高身長の人は生活改善を積極的に

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 ほかにどんなリスクがあるかというと、肥満がひとつ。実はメタボを促進させる生活習慣がよくなくて、欧米では肉食、特にハムやソーセージなどの加工肉がリスクになります。

 衣笠さんも大の肉好きでワインと一緒に楽しんだそうです。

 ただし、日本では、欧米ほど加工肉を食べないので、データとしては密接な関係がありません。加工肉好きの方が注意する程度でいいでしょう。

 逆にいうと、メタボを改善する運動は、大腸がん予防としても効果的。ほかには、食物繊維や魚の摂取も有望で、カルシウムやコーヒーも効果的といわれます。

 生活習慣とは関係ありませんが、意外なところでは大島さん(182センチ)のような高身長もリスクのひとつ。英国の中年女性130万人の追跡調査で、大腸がん乳がん、子宮がん、卵巣がん、腎臓がんなど10種類のがんで、高身長ほど高リスクに。

 国立がん研究センターの疫学研究でも同様の結果が出ています。男性は、身長168センチ以上のグループは、160センチ未満よりがん全体の死亡リスクが17%高い。身長が5センチ高くなるごとに4%リスクが増しています。

 生活習慣は身長よりはるかに大きな影響があり、改善が可能です。身長が高い人は、身長のリスクを気にするより、生活習慣の改善に力を入れるといいでしょう。

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