著者のコラム一覧
大橋直樹「東京外科クリニック」理事長

日本外科学会認定外科専門医、全日本病院協会認定臨床研修指導医。東京外科クリニックグループでの日帰り手術の件数は2022年4月末日時点で3101件。

脱腸・盲腸でも術後1時間で帰宅可能に コロナ禍で需要が増加

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの流行で変化したことはいくつもありますが、そのうちの一つが「日帰り腹腔鏡手術」の需要が増えたことです。

 病院側の理由としては、コロナに感染した患者さんのための病床確保、医師・看護師など医療スタッフの確保、さらにはコロナ感染対策によって、予定していた手術が取りやめにせざるをえなくなったこと。

 患者さん側からも、「緊急性がないのなら、今は病院で入院して手術をするのは控えたい」といった要望が増えました。一方で、手術が必要ということは、放置して良くなる病気ではないのですから、患者さんとしては「入院以外で治療できるなら……」という気持ちがあるわけです。

 当クリニックで数多く日帰り腹腔鏡手術を行っている脱腸(鼠径ヘルニア)、盲腸(虫垂炎)を例に出して具体的にお話ししましょう。

 これらの病気はしばらく放っておいても問題ないケースが少なくありませんが、一定数は、前触れもなく急に腹痛を引き起こし、緊急入院あるいは緊急手術になる可能性があります。

 もしその時、救急搬送された病院がコロナの感染症患者さんでふさがっており、手術ができない状態なら、場合によっては生命に関わります。コロナの終息はまだ見えないどころか、より感染力の強い株に置き換わってきています。今後、医療情勢が悪くならないとは言えません。いかなる病気であっても、適切なタイミングで治療を受けた方がいいことは、言うまでもないでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」