著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

暗黒時代への第一歩? 米最高裁が人工妊娠中絶は違憲と判断

公開日: 更新日:

 お金がなくて育てられないという事情があろうと、たった1度の避妊の失敗で夢見ていた人生が台無しになろうと、それによって女性がどんなトラウマを受けようと関係ない。これは相手の男性にとっても同じです。ようやく心臓の鼓動が探知されたばかりの、妊娠1カ月半の胎児の人権が優先です。

 どう考えるかは個人の自由です。しかし中絶を違法にし女性を縛るのは人権の剥奪だと、抗議するアメリカ人は連日叫んでいます。

 ところで、「違法」ということは罰則もあります。州によっては、中絶を行った医師やそれを助けたスタッフ、患者を運んだドライバーに対し、訴えればお金がもらえる仕組みがあります。いつ誰に訴えられるかわからない。恐れが支配する社会になりかねないと懸念されています。

 ちゃんと避妊しないから悪いんだと思われる方もいらっしゃると思いますが、その通りです。貧困層は医療もまともに受けられない国です。残念ながら避妊へのアクセスも限られています。

 その避妊が、最高裁の次のターゲットと言われています。避妊が違法になるなら次は同性婚だろうと考えられています。

 ラジカルと言われるほど超保守化した最高裁によって、アメリカはどこに向かうのか。権力が人を縛ることで支配を強める、暗黒時代に近づいたと言う人も少なくありません。

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