コロナ感染者増は「謝らない専門家」への不信感の積み重ねではないか

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■普及啓発のプロづくりの失敗

 その根底には政府広報や専門家の発言への不信感があるのではないか。

「私はこの間、基本的な感染症対策の普及啓発のための専門家が育たなかったせいだと思っています。その背景には間違っても謝らない専門家や間違いを軌道修正させるチャンスを与えないマスコミへの不信感の積み重ねにあるのではないでしょうか。2年半に及ぶコロナ禍で私も含めてマスコミで発言している専門家のなかに誤解や間違いもあった。それは大きな間違いでなくても伝えるうえで、誤解を受ける表現もあるわけです。それを、きちんとただす。そして普及啓発に当たる専門家同士が議論する。そのうえで国民一人一人の感染症対策の常識を集約していく。それができなかった。その結果、各自の常識に差が生まれた。いまではそれを指摘すると軋轢となる。そのことを恐れて、誰も指摘しなくなり、いい加減な感染症対策となり感染者増を招いたのだと思います」

 専門家が議論して正しい基本的な感染対策を練り、それを国民に繰り返し繰り返し伝えていく。いま必要なことはニュースになるような感染対策ではなく、誰もが理解して実行できる感染対策の普及ではないのか?

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