著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【クロイツフェルト・ヤコブ病】有効な治療薬はなく半年以内で寝たきり状態に

公開日: 更新日:

 異常なプリオンタンパクによって引き起こされる一群の病気を「プリオン病」と呼びます。前回、お話ししたいわゆる狂牛病=牛海綿状脳症(BSE)もそのひとつです。ヒトのプリオン病にはクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、致死性家族性不眠症などがあり、CJDが9割以上を占めています。

 CJDは、わが国のサーベイランスにおいて毎年100~200人の発病が確認されていて、大部分は40歳以上で発症し、平均発症年齢は65歳前後です。発症機序によって、原因不明の「孤発性」、プリオンタンパク遺伝子の変異による「遺伝性」、プリオンへの暴露によって感染して発症する「獲得性」の3つに分けられます。プリオン病全体の中で、孤発性が76%、遺伝性が21%、獲得性が2%を占めます。

「獲得性」はさらに、「変異型CJD(vCJD)」と「医原性CJD」に分けられます。変異型CJD(vCJD)は、前回お話しした牛海綿状脳症を発症した牛の特定危険部位を食べて牛海綿状脳症が人間に伝達(感染)したとされるもので、日本では2005年に患者1人が確認されています。この患者は、イギリスに滞在経験のあることが確認されていて、同国での感染が疑われています。変異型CJDは、発症年齢が10~30歳の若者であることも特徴のひとつです。

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