糖尿病患者の正しい振る舞いは「すべてisCGMが教えてくれる」

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インスリンボールや夜間低血糖にも有効

■インスリンボールや夜間低血糖にも有効

 現在使用中の患者さんの中心は50~60代ですが、最近は70代以降の人が増えています。高齢な糖尿病患者さんは病歴が長くインスリン治療歴も長い。isCGMは難しいインスリン治療患者さんの血糖コントロールに有効です。

 例えばインスリン治療中の患者さんのなかには、いつもと同じやり方でいつも通りの種類と量のインスリンを注射しているのに血糖値が乱れることが少なくありません。その原因のひとつがインスリンボールです。インスリン注射を同じ場所に打ち続けることで、皮下にできる脂肪の塊を言います。インスリンボールができるとインスリン注射をしてもうまくインスリンが体内に入らなくなり、結果として血糖値が乱れるのです。

 ところが、こういう患者さんは「以前はキチンと注射できていた」との自負があり、インスリンボールの改めての確認や他人の補助を嫌う傾向にあります。

 isCGMのデータがあれば、患者さん本人も血糖コントロールの乱れを確認でき、医師もインスリンボールの存在を推測し、それを避ける注射を指導することで良好な血糖コントロールを実現できるのです。

 また、isCGMがあれば、夜間低血糖の発生を知り、対処することが可能です。低血糖は血糖値が正常値よりも低下したときや乱高下したときにみられるもので、初期は倦怠感や冷や汗、震えなどの症状があらわれます。重症化すると意識障害や昏睡が起こり、死に至ることもあります。高齢な糖尿病患者は夜間低血糖を起こしやすいことがわかっていますが、それを可視化するのは難しい。isCGMはそれを可能にして、対策を打つことができます。

 とくに、肥満形の糖尿病患者さんは低血糖には敏感ですが、やせ形でインスリンの分泌が低下している患者さんは、自身が夜間低血糖を起こしていると思わないケースが少なくありません。

 私は多くの臨床例から高齢者が夜中に起きたりするのは、かなりのケースで低血糖が関係しているのではないか、と考えています。その意味では、isCGMは高齢者の睡眠障害対策にもなるのではないか、と思います。

 isCGMは糖尿病患者さんにとって欠かせないアイテムだと思います。

▽遅野井健(おそのい・たけし)那珂記念クリニック院長。弘前大学医学部卒。同大学大学院修了後、同大第3内科入局。水戸協同病院内科科長、那珂クリニック院長を経て2003年10月から現職。日本糖尿病学会専門医・指導医、日本病態栄養学会評議員、日本糖尿病協会理事など。

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