偶然の不調がなかったら…休井美郷さん子宮頸がん一歩手前での手術を振り返る

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公表するとたくさんの反響があった

 手術前にはウイルスの型を調べる検査がありました。子宮頚がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因で起こるがんです。でもHPVには100種類以上の型があって、感染しても自然治癒するものもあれば、がんになりやすいタイプもあるのです。

 その型を調べて、結果待ちをしていたので、手術を受けたのは昨年6月12日でした。手術は日帰り。全身麻酔で手術自体は30分ほどで終わったと聞いています。目覚めるとズキズキしましたが、帰りには付き添いで来てくれていた母親と焼き肉を食べて帰りました(笑)。

 経過は順調そのもの。今は3カ月に1回、細胞を採る検査を受けて経過観察中です。

 ユーチューブで病気を公表すると、それまでにないくらいたくさんの反響がありました。世の中には、こんなに子宮頚がんに悩んでいる女性がいるんだと初めて知りました。長年の友達も「じつは私も子宮頚がんで10年間病院に通っているの」と打ち明けてくれて、改めて身近な病気であることもわかりました。

 私の場合は、仕事柄いろいろな人の声や情報が入ってきやすいのですが、そうでなければ一人で抱え込みやすい病気なので、つらいと思います。「そういう思いをする人を一人でも減らしたい」と考えるようになりました。ユーチューブではもちろん、会う人会う人に「定期検診行ってね」と言いまくっています。症状が出てからではかなり進行しているといわれているので、自分は大丈夫と思わず定期的な検診をしてほしい。なんなら年に1回、定期検診を受けなくてはいけない制度があってもいいと個人的には思っているくらいです。

 病気から学んだことは、自分のライフプランを考えて生活すること。以前は自己啓発本などに「ライフプランを立てましょう」などと書いてあっても、将来のことは漠然としていてピンとこなかったんです。でも病気後は、何歳になったらこれをする、何歳ではこうしていよう……といったビジョンが明確になりました。それに、できることややりたいことはガマンしないようになりました。今は海外旅行がマイブームといったところです。

 あとは、両親にできるだけ何かしてあげたいと思っています。病気がわかったときは私より母の方がめいってしまっていたので本当に申し訳なくて……。逆に今、私は親の体が心配で、「人間ドックに行ってね」と予約を取りました。それにしても、何で人間ドックってあんなに高額なんですかね? 若い人のお給料じゃそうそう行けない値段ですよ。そういうことも気になるようになりました。

(聞き手=松永詠美子)

▽休井美郷(きゅうい・みさと)1991年、大阪府生まれ。パン教室の講師を務めていた2021年、Amazon Prime Video「バチェラー・ジャパン」シーズン4に参加。“あざとい系女子”として話題になり、今やファンの8~9割を女性が占める。自身のユーチューブチャンネル「きゅうちゃんねる」で病気を公表し、定期検診の重要性についての啓蒙活動も行っている。

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