著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

総合ビタミン剤の使用者は死亡率4%増…39万人調査で判明

公開日: 更新日:

 健康維持のためにサプリメントを使用されている方は多いと思います。国も将来的な医療費の削減のため、予防に力を入れています。

 ただ、医療機関などで指導される病気の予防というのは、運動であったり、食事制限であったり、結構ハードルの高いものが多く、実行されないことが多いのが実際だと思います。一方でサプリメントはただ飲むだけですから、それで健康が維持出来るなら……と利用する人が多いことは、ある意味当然かもしれません。

 しかし、サプリメントにはどの程度の効果があるのでしょうか? その効果は本当に科学的に証明されているのでしょうか?

 サプリメントの代表は「総合ビタミン剤」です。一番古くから使用されているサプリメントと言って良く、アメリカでは大人の3人に1人が使用していると報告されています。

 今年の米国医師会関連の医学誌に、大規模な疫学データを解析した研究結果が報告されています。トータルで39万人を超える住民に調査を行ったところ、総合ビタミン剤を長期使用している人は、使用していない人と比較して、色々な理由で死亡するリスクが、低下するどころか4%増加していました。

 もちろん、ビタミンが不足気味の人では、健康維持に有効な可能性はあるのですが、「ビタミン剤を飲んでいるから健康」という思い込みは科学的なものではないようです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解