親として子供にどう「性」を伝えるべきか? 性教育に力を入れる医師に聞いた

公開日: 更新日:

 とはいえ岩室医師も、性教育の講演を始めた当初、正解を並べていたという。

「HIV/AIDSの普及啓発ということもあり、『エイズウイルスに感染しないためにはノーセックスかコンドーム』と伝え続けていました。科学的には正しい内容ではありますが、しかし、結果的にエイズウイルスに感染した人は私のその話を聞いて、私の外来を受診しようと思うか。『正解を聞いていたのに自分は守れなかった』と外来を受診できないのではないか。そもそも正解を並べても、『そうですよね』となるだけで、伝わらない。私自身も、講演の中で正解を押し付ける正解依存症だったと思い知らされたのです」

 良いか・悪いかではなく、岩室医師が患者や友人・知人との交流の中で得たエピソードを講演で淡々と伝えていく。それらを通して「究極の目的」としているのが、「一人一人が自分らしく生きられる。失敗しても、自分らしく生きられる」というメッセージを伝えること。

■「理解」より「認める」

「私がHIV/AIDSに関わり始めた頃、ゲイの友人から突然カミングアウトされ、思わず『なんでゲイなの?』と聞いてしまったんです。すると『岩室さんはなぜ女が好きなの?』と問い返され、答えられなかった。自分がなぜ異性愛者かすら説明できず、理解できないのに、性的指向が異なる人を理解するのは無理。世の中にはいろんな価値観や経験、生き方がある。『理解する』という上から目線ではなく、理解できなくても多様性を認めていく。性感染症の話などは結果としてついてくるもので、『自分らしく生きる』ことを伝えるのが性教育だと考えています」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る