長寿社会だからこそ気をつけたい…高齢者に多い「緩徐進行1型糖尿病」

公開日: 更新日:

 急性1型糖尿病になると、糖尿病の急性合併症である糖尿病ケトアシドーシスが起きる。喉の渇き、多汗、倦怠感といった糖尿病症状が急激に現れ、悪化すると嘔吐、呼吸困難、意識障害などを起こす。困ったことに過去1~2カ月の血糖値を表すヘモグロビンA1cの値があまり上昇しないことがわかっている。

■長年の2型糖尿病治療が限界に

 劇症1型糖尿病は、急性1型と同じように糖尿病ケトアシドーシスの症状が現れるが、発症者の多くは20歳以上であり、発症直前に風邪症状があることが多いことなどが報告されている。

「近年は、がん治療に使われる免疫チェックポイント阻害剤である抗ヒトPD-1/PD-L1抗体に関連して劇症1型糖尿病が発症することが報告されています」

 そうした中、最近じわじわと増えているのが緩徐進行1型糖尿病だという。

「緩徐進行1型糖尿病は1型糖尿病に含まれますが、急性発症や劇症とは違い、ケトアシドーシスに陥るケースは少なく、2型糖尿病のような発症形式をとります。そのため、2型糖尿病と診断され、治療されることがありますが、そもそも膵臓のβ細胞が破壊されているので、生活習慣をいくら改善しようと努力しても、インスリンを外から補充しない限りは症状は変わりません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」